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一度も行ったことのない土地が、なぜか懐かしかった。話したこともない人が、なぜか身内のように感じられた。起きたら内容はほとんど忘れているのに、感情だけがはっきり残っている。
そういう夢を見たあと、しばらく引きずることがあります。ただの夢だと片づけるには、少し様子が違う。
前世の記憶が夢に出てくることがある、というのは昔から言われてきました。この記事では、そういう夢にどんな特徴があるのか、普通の夢と何が違うと言われているのかを書きます。
普通の夢は、目が覚めて数分もすれば輪郭がぼやけます。誰かに話そうとした時点で、もう半分は思い出せません。
前世の記憶だと言われる夢は、そこが違います。何年たっても、その場面だけ切り取ったように残っている。あとから思い返しても、色や明るさ、季節の空気まで戻ってきます。
記憶として残るかどうかが、最初の分かれ目だと言われます。夢が消えないのは、それが夢として作られたものではなく、もともと記憶だったからだ、という読み方です。
これはあまり知られていませんが、前世の夢としてよく語られる形です。
普通の夢は、自分の目から見た景色として進みます。ところが前世の夢では、映画を観ているように、少し離れたところから自分を眺めていることがある。画面のなかにいる人物が自分だと分かるのに、体は自分のものではない。
会話も、耳から聞こえるというより考えていることがそのまま伝わってくる形で入ってくることが多いようです。相手が何を思っているかは分からないのに、その人物──つまり前の自分──の考えだけは分かる。
この「観客の位置から見る」という感覚は、思い出すという行為に近いのだと説明されます。今の自分が、前の自分を見に行っている形です。
夢はたいてい辻褄が合いません。場所が急に変わり、知らない人が知り合いになり、起きてから考えると筋が通らない。
前世の夢だと言われるものは、その逆で、細部が妙にはっきりしています。季節、時刻、建物の造り、着ているもの、手に持っている道具。ときには年代や地名まで出てくる。
しかも、それが自分の興味と関係がないことがあります。歴史に詳しくもなければ、その時代を調べたこともない。それなのに、見たこともない服装や道具が出てくる。ここが不思議がられるところです。
初めて見るはずの景色に、帰ってきたような感じがする。
夢のなかで道が分かる、建物の奥に何があるか知っている、という形で出ることもあります。知識ではなく、体のほうが覚えているような感覚です。
同じことは、起きているときにも起こります。旅先で降りた駅、初めて入った寺の境内。夢とつながっている場合、この二つが後になって重なることがあります。
同じ場面を、年をまたいで何度も見る。少しずつ続きが進むこともあります。
繰り返す夢が前世と結びつけられるのは、そこに終わっていないものがあると考えられているからです。言えなかったこと、渡せなかったもの、間に合わなかったこと。そういうものが残っていると、何度も同じところへ戻ってくる、という読み方をします。
子どものころから見ていた夢が、ある時期を境にぱたりと止むこともあります。
夢のスピリチュアルな解釈には、大きく分けて二つの方向があります。
ひとつは、誰かから届く夢。亡くなった家族が出てくる、守護霊が知らせに来る、これから起きることの前触れを見る。差出人がいて、受け取るのがこちらという形です。夢に出てきた相手や出来事に、意味を読み取っていきます。
もうひとつが、自分の過去が出てくる夢。前世の記憶と言われるものはこちらです。誰かが伝えに来たのではなく、自分のなかにあったものが浮かんできている。
見分ける手がかりは、夢のなかの自分が誰かです。今の自分のまま何かを見せられているなら前者。今の自分ではない誰かとして、そこで生きているなら後者と考えられています。
守護霊からの知らせとしての夢については、夢で受け取る守護霊のメッセージとその解釈法で書いています。どちらだろうと思ったら、あわせて読んでみてください。
これがいちばん大事です。
残る夢だとはいえ、細部から先に消えていきます。目が覚めたら、動く前に書いてください。枕元に紙を置いておくと確実です。
書くのは、あらすじよりも断片のほうです。建物の形、着ていたもの、季節、聞こえた言葉、そのときの気持ち。意味が分からないものほど、あとで効いてきます。
年代や地名、人の名前が出てきたなら、調べてみると面白いです。
その時代にその場所が実在したのか。出てきた名前の人物がいたのか。自分がまったく知らなかったはずのことが、実際の歴史と食い違わない。そういうことが起きると、夢の見え方が変わります。
調べても何も出てこないこともあります。それはそれで、また別の話です。
一度で全部が出てくるとは限りません。
同じ夢を繰り返し見ているなら、そのうち先が見えることがあります。急いで意味を決めてしまわず、次に来たときのために書き留めるものを増やしておく。それくらいの構えでいるほうが、結局は遠くまで行けます。
書き留めた断片は、自分で眺めているうちは断片のままです。
「この建物に見覚えがある」「同じ人がずっと出てくる」「季節の匂いだけ覚えている」。書き出したものを渡すと、そこから時代や土地、そのとき自分が何をしていたのかを読み取る人もいます。
見た本人には出てこない情報が、外から入ってくる。その一言で、ばらばらだった断片の並び順が決まることもあります。
何年も同じ夢を抱えているなら、一度預けてみるのもひとつです。夢の話は、電話やチャットのほうがかえって細かく伝わります。書き留めたものを手元に置いたまま話せるからです。料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで確認してください。
夢に限らず、理由の分からない恐怖や特定の時代への懐かしさから前世を考える人もいます。そちらは前世が軍人だった人の特徴とは?特攻隊員だったと感じる理由も解説で書きました。
「その夢は前世からの警告です」といった話から、高額な祈祷や開運グッズの購入につながる場合は、その場で決めずにいったん持ち帰ってください。不安をあおられて契約した場合、消費者契約法にもとづいて取り消せることがあります。断ったあとにしつこく連絡が来るときは、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。
もうひとつ。怖い夢が続いて眠れない、朝が起きられない、日中に支障が出ているなら、そこは前世とは切り離して考えたほうが楽になります。眠りそのものが崩れているときは、医療機関で相談できます。体のほうを整えておいたほうが、夢もはっきり残ります。
前世の夢は、たいてい人に話しても流されます。「疲れてるんじゃない」で終わってしまう。だから多くの人が、誰にも言わないまま持っています。
でも、何年たっても消えない夢というのは、そう何度も見るものではありません。
内容が分からなくても、意味がつかめなくてもかまいません。覚えていること自体が、すでに続いているということです。
書き留めておいてください。続きは、たいてい忘れたころに来ます。